人は欠点を愛す
少し前に、家族で鍋を囲みながら、「恥部」の話になったことがあった。
発端は「自分の恥ずかしいところなんて無い!」と言った息子(すげえ!素晴らしい!)に、冗談で「恥ずかしいところだらけやん!全身恥部…」と返したところ、息子が「チブ」ってナニ??となった事。
ザ・クロマニヨンズの歌にそういうのがあったよね、全身チブって…
もともとの意味って何なんやろ?辞書に載っている意味は「陰部」「人に知られたくない恥ずべき部分」なんだって。
自分は息子と違って恥ずべきところだらけやなーってその時は思った。レシピなしできちんとした料理が作れないのも、カフェオレとカフェラテの違いをすぐ説明できないのも、都道府県の位置があやしいのも、地図が読めないのも恥ずかしい。あー恥ずかしい…
さいきんは歳をとったせいか、子どもらが賢くなってきてごまかしがきかなくなったせいか、自分のポンコツな部分を受け入れることができている。対外的にその人には恥ずかしくて知られたくない、て場合もあるので、その人にはまだええカッコしてみせたいのだろう。信頼できていないんだろう。
他人はその人の欠点を愛するってことを、わたしは身近な人たちに繰り返し教わってきた。
夫と結婚すると決まったとき、高校時代からの女友達を彼に会わせたことがあった。わたしだけが酔い潰れている隣で2人が、わたしのほんとに嫌だと思っている性格、やってしまう行動について、「そこが好きなんですよー」「〇〇さんもですか!」と盛り上がっていたのを覚えている。苦しくて心底直したいと感じている部分を、他人にまるで愛らしいしっぽか何かみたいに取り上げられていて、めちゃくちゃ恥ずかしかった。
そのようなことが幾度もあって、自分が感じる「欠点」なんてただ自分がそのように見ているだけなんだと思うようになった。特に自分が気になっているものほど、他人には違う理解をされて受け入れられていることの方が多い。
あなたの欠点も、愛されているよ。きっと。
虹の脚がちょびっと見えた!