不在

なんでテレビが苦手なんだろう

なんでうわさ話が苦手なんだろう

ひとのことをいろいろ話している場に

居合わせるといたたまれなくなるんだろう

そこから逃げ出したくなるんだろう

そこに居たくない

話をして共感しあって

すっきりした気持ちになっている人たちのことも

邪魔したいわけじゃない

でもそこにいるのはつらい

だから気配を消した

そうしたらわたしはいなくなった

どうして声高に

嫌いなものを叫ばなければいけないの？

傷ついて怒りが湧き悲しんだこと

みんなおなじようにあること

苦しい恥ずかしい妬ましい

そのまま出すのではなく

違うかたちに変えることができたなら

少しは違うのかな

ありがとう愛しています幸せ

そのこともまた同じ

抱えすぎて持てなくなる

そんなこともかんちがい

つながりを感じても

自らまた切り離して

誰も居ないところでひとり舞うの

もう少しだと信じたのに

自らまた裏切って

深い池の底におちてゆき歌う

声を聴かせてほしい

そう何度も願ったのに

見えない月夜の中で

またいなくなってしまうわたし